【自動計算】防火対象物の収容人員|消防法における計算方法と関係基準

避難器具等の検討に便利な収容人員算定用の計算ツールです。算定方法は消防法施行規則第1条の3に基づいています。地方自治体で定める火災予防条例等で取り扱いや算定方法が異なる場合がありますので、必ず所轄消防へ事前相談に行くようにしてください。なお、複合用途防火対象物(16項)の収容人員については、それぞれの防火対象物の部分ごとに求めた収容人員を合算して求めてください。

次のような方におすすめです

  • 避難器具の設置個数の確認がしたい
  • 防火管理者の選任が必要かどうか確認したい
  • 非常警報器具又は非常警報設備を設置しなければならないか確認したい

すぐに計算ツールを使いたいときは目次の「★収容人員算定ツール」をクリックしてください。

目次

収容人員とは

収容人員とは、消防法施行令第1条の2第3項イで「当該防火対象物に出入し、勤務し、又は居住する者の数」と定義されています。防火対象物の用途ごとに収容人員の計算方法が定められており、その人数に応じて防火管理者の選任義務や避難器具の設置義務が発生します。

※防火管理者…消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行う責任者(法第8条)

収容人員算定の関係法令

関係法令:消防法施行規則 第1条の3

参考:消防法施行規則(e-Gov法令検索)

★収容人員算定ツール

避難器具の設置基準

設置基準一覧表

消防法施行令第25条に基づき、防火対象物の階ごと(避難階及び11階以上の階を除く。)に避難器具の設置が義務付けられており、収容人員によって設置個数が定められています。以下、設置基準の一覧表です。

防火対象物の種別避難器具の設置基準
(一)イ 劇場、映画館、演芸場又は観覧場
ロ 公会堂又は集会場
2階以上の階(主構造部を耐火構造とした建築部の2階を除く)又は地階で収容50人以上
※設置個数:200人毎に1個追加
(二)イ キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他
ロ 遊技場又はダンスホール
ハ 性風俗関連特殊営業を営む店舗
ニ カラオケボックスその他
(三)イ 待合、料理店その他これらに類するもの
ロ 飲食店
(四)百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗又は展示場
(五)イ 旅館、ホテル、宿泊所その他
ロ 寄宿舎、下宿又は共同住宅
2階以上の階又は地階で収容30人以上(下階に(1)~(4)まで、(9)、(12)イ、(13)イ、(14)又は(15)が存する場合10人以上)
※設置個数:100人毎に1個追加
(六)イ 病院、診療所又は助産所
ロ 老人施設、救護施設、乳児院、障害者施設
ハ 老人デイサービス、更生施設、保育所その他
二 幼稚園又は特別支援学校
2階以上の階又は地階で収容20人以上(下階に(1)~(4)まで、(9)、(12)イ、(13)イ、(14)又は(15)が存する場合10人以上)
※設置個数:100人毎に1個追加
(七)小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、大学、専修学校、各種学校その他
2階以上の階(主構造部を耐火構造とした建築部の2階を除く)又は地階で収容50人以上
※設置個数:200人毎に1個追加
(八)図書館、博物館、美術館その他
(九)イ 公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他
ロ イに掲げる公衆浴場以外の公衆浴場
(十)車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場(旅客の乗降又は待合いの用に供する建築物に限る。)
(十一)神社、寺院、教会その他
(十二)イ 工場又は作業場
ロ 映画スタジオ又はテレビスタジオ
3階以上の無窓階又は地階で、100人、その他3階以上の階で150人
※設置個数:300人毎に1個追加
表1:避難器具の設置基準

避難器具に関する注意点

避難器具の種類や階によっては使えないものもあります。例えば第6項の病院や診療所は、体の不自由な患者が使いにくい避難はしごや避難タラップに使用制限があります。

  • 避難ロープ、すべり棒・・・2階のみ設置可
  • 避難用タラップ、避難はしご・・・別表第一(六)の用途で3階以上の階は設置不可
  • 緩降器、すべり台・・・地階に設置不可

※避難用タラップは、別表第一(六)以外の用途でも4階以上に使うことはできません。

避難器具の個数に関する緩和規定

主要構造部を耐火構造物とし、かつ2以上の避難階段又は特別避難階段が設けられている場合、設置個数算定の元になる収容人員を倍読みすることができます。(例:表中「100人毎」を「200人毎」に読み替えることができる)

防火管理者の選任基準

防火管理者の選任義務は、下表の通り防火対象物の用途および収容人員に応じて生じます。

防火対象物の種別(令別表第1)収容人員
(六)項ロ、(十六)項イ及び(十六の二)項のうち(六)項ロに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するもの10人以上
(一)項~(四)項、(五)項イ、(六)項イ、ハ、ニ、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項30人以上
(五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項~(十五)項、(十六)項ロ、(十七)項50人以上
表2:防火管理者の選任基準

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

他にも様々な自動計算ツールを用意していますので、ぜひサイト内を巡ってみてください。

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