【自動計算】トイレ器具数算定|衛生器具の適正個数算定法(用途別)

建物用途や利用人員数から、パブリックトイレの適正な器具数を算定するためのツールです。オフィス(事務所)、店舗(百貨店・量販店)、寄宿舎、学校、病院(病棟)、劇場(ホール)の用途に対応しています。『SHASE-S 206-2019 給排⽔衛⽣設備規準・同解説(空気調和・衛⽣⼯学会編)』における衛生器具の適正個数算定表に基づいていますが、表の目盛を読んでいますので厳密な数値ではありません。

なお、事務所用途に関しては労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則(事務所則)」による個数も同時に算出できるようになっています。利用人数が多い場合、上記給排水衛生設備規準より個数が多くなることがありますので、注意が必要です。

次のような方におすすめです

  • トイレの設計レイアウト検討のため、衛生器具の適正個数を把握したい
  • 手元に資料はあるが、表の目盛が読みづらい
  • 男女比などの条件を検討するため、繰り返し計算を行いたい

すぐに計算ツールを使いたいときは目次の「★トイレ適正器具数算定ツール」をクリックしてください。

目次

トイレ適正器具数の根拠資料

空調衛生工学会基準

根拠資料:SHASE-S 206-2019 給排⽔衛⽣設備規準・同解説(空気調和・衛⽣⼯学会編)

LIXILさんのカタログ(外部サイト)にも同表が記載されています。「データ編」→「適正器具数の算定(p.60-64)」で確認できます。

学会基準の算定方法と注意点

昭和50年代に行われた学会調査の3つの評価指標、「到着率(利用人数が100人の場合に1分間に利用する人数)」「利用時間」「待ち時間」を基にしたシミュレーションによって規定されています。

しかしながら、学会調査当時から公共トイレをめぐる状況は大きく変化しています。

  • トイレ利用目的の多様化(スマホの普及、着替えや荷物整理など)
  • ジェンダー平等意識の高まり(多目的トイレの数やあり方の変化)
  • 外国人旅行者の増加(多様な人種・宗教)
  • COVID-19流行に端を発する社会の変化(リモートワークの浸透、手洗い頻度の増加)

学会基準はあくまで一つの指標と捉え、立地や用途など建物個別の状況や社会情勢を勘案しながら、慎重に器具数を決定することが大切です。

事務所衛生基準規則

関係法令:事務所衛生基準規則 第17条の2

事務所(オフィス)に限り、労働安全衛生法の事務所衛生基準規則(通称:事務所則)でトイレの個数が定められています。その他、以下のような細かい規定もありますので注意が必要です。

  • 男性用と女性用に区別すること
  • 流出する清浄な水を十分に供給する手洗い設備を設けること

事務所則の算定方法

  • 男性用大便所の便房数:同時に就業する男性労働者 60 人以内ごとに 1 個以上
  • 男性用小便所の箇所数:同時に就業する男性労働者 30 人以内ごとに 1 個以上
  • 女性用便所の便房数:同時に就業する女性労働者 20 人以内ごとに 1 個以上

また、独立個室型の便所を設置することで、労働者の人数を1個につき10人ずつ減らすことができます。

※独立個室型の便所とは、男性用と女性用に区別しない四方を壁等で囲まれた一個の便房により構成される便所のことを言います。

★トイレ適正器具数算定ツール

各階にトイレを設置する場合は、階ごとに算定してください

サービスレベルとは

サービスレベルとは、待ち時間に対する利用者の意識、評価などから3段階のレベルを設定したものです。

  • レベル1・・・待つことが少ない良好なサービスレベル
  • レベル2・・・標準的なサービスレベル
  • レベル3・・・最低限のレベル

オフィスや店舗などの任意利用形のものについてはあらかじめ定めた待ち時間(t)に対し て、その発生する確率P(>t)が一定レベルより低くなるように定められています。例えばP(>10)<0.05は10秒より長く待つ確率が0.05未満であるようなサービスレベルをさしています。また、劇場や学校などの限定利用形のものについては、待ち行列が発生することを前提に、その際、起こりうる最大待ち時間によりレベルが設定されています。なお、器具数算定に際してのサービスレベルの設定は、設計される建物のグレードを考慮する必要があり、その選択は設計者の判断によります。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

他にも様々な自動計算ツールを用意していますので、ぜひサイト内を巡ってみてください。

気に入っていただけたら、ブラウザのお気に入りブックマークへの登録、X(twitrer)フォローしていただけると嬉しいです。

トイレ適正器具数計算ツールのアイキャッチ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメント一覧 (6件)

  • 人員密度0.33人/㎡にしたときに、男女の人口の計算が合いません。
    すみませんが原因わかりますでしょうか

    • コメントありがとうございます。
      事象を詳しく把握したいので、お手数ですがご協力お願いします。

      ①不具合が発生している用途は(1)事務所、(2)百貨店・量販店のうちどちらでしょうか。

      ②「男女の人口の計算が合わない」について、もう少し詳しく教えてください。計算が合わなかった時の「床面積」「男女比率」の数値も合わせてお知らせいただけないでしょうか。

      なお、人員数は整数になるように切り上げております。(安全側です)

      • 上記について、百貨店だったのですが
        有効数字による切り上げ、切り下げによるものでした。

        失礼いたしました。わたくしの勘違いであったため上記
        コメントは削除いただきまして大丈夫でございます。

        いつも有用な計算を開発してくださり、ありがとうございます。

        • こちらとしても切り上げ・切り下げの解説が不十分でした。
          貴重なご意見ですし、最後の一文、大変励みになります。
          いただいたコメントは残させていただければと思います。
          ありがとうございました。
          今後とも当サイトをお引き立てくださいますよう、お願い申し上げます。

  • SHASE-S 206-2019 給排⽔衛⽣設備規準・同解説(空気調和・衛⽣⼯学会編)を使うのはやめましょう。労働衛生法違反の結果になります。法令違反を奨励するのはいかがなものかと

    • ご意見ありがとうございます。
      事務所用途に関しては、「SHASE-S 206-2019 給排⽔衛⽣設備規準・同解説(空気調和・衛⽣⼯学会編)」だけでなく、
      労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則」による個数も同時に算出できるようになっております。
      法令違反を推奨する意図はございませんが、説明が不足しておりました。
      利用人数が多い場合は事務所則の個数を採用すべきことを付記いたしました。

コメントする

CAPTCHA


目次