【自動計算】道路斜線制限|適用距離や各種緩和規定にも対応

用途地域や容積率の限度、後退距離などを入力し、道路斜線による建築物の高さを求める自動計算ツールです。適用距離斜線の角度も自動で反映され、2つの全面道路がある場合の緩和(2道路緩和)や敷地と道路に高低差がある場合の緩和(高低差緩和)にも対応しています。このツールは道路斜線制限のみを確認するものであり、隣地斜線北側斜線は別途確認が必要です。

次のような方におすすめです

  • 道路斜線制限の調べ方がわからない
  • 角地や斜面地など複雑な計算が必要な立地だ
  • 後退距離を細かく変えて配置検討を行いたい

すぐに計算ツールを使いたいときは目次の「★道路斜線計算ツール」をクリックしてください。

目次

道路斜線の根拠法文

根拠法令:建築基準法 第56条 第1項 第1号、法別表第3、建築基準法施行令 第130条の11~135条の2

建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。

一 別表第三(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの

建築基準法 第56条 第1項 第1号
(い)(ろ)(は)(に)
地域、地区又は区域容積率の限度適用距離勾配
1第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域内の建築物又は第一種住居地域、第二種住居地域若しくは準住居地域内の建築物(4の項に掲げる建築物を除く。)20/10以下の場合20m1.25
20/10を超え、30/10以下の場合25m
30/10を超え、40/10以下の場合30m
40/10を超える場合35m
2近隣商業地域又は商業地域内の建築物40/10以下の場合20m1.5
40/10を超え、60/10以下の場合25m
60/10を超え、80/10以下の場合30m
80/10を超え、100/10以下の場合35m
100/10を超え、110/10以下の場合40m
110/10を超え、120/10以下の場合45m
120/10を超える場合50m
3準工業地域内の建築物(4の項に掲げる建築物を除く。)又は工業地域若しくは工業専用域内の建築物20/10以下の場合20m1.5
20/10を超え、30/10以下の場合25m
30/10を超え、40/10以下の場合30m
40/10を超える場合35m
4第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域又は準工業地域内について定められた高層住居誘導地区内の建築物であつて、その住宅の用途に供する部分の床面積の合計がその延べ面積の2/3以上であるもの35m1.5
5用途地域の指定のない区域内の建築物20/10以下の場合20m1.25又は1.5のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの
20/10を超え、30/10以下の場合25m
30/10を超える場合30m
<備考>
建築物がこの表(い)欄に掲げる地域、地区又は区域の2以上にわたる場合においては、同欄中「建築物」とあるのは、「建築物の部分」とする。
建築物の敷地がこの表(い)欄に掲げる地域、地区又は区域の2以上にわたる場合における同表(は)欄に掲げる距離の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
この表(い)欄1の項に掲げる第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域(第52条第1項第二号の規定により、容積率の限度が40/10以上とされている地域に限る。)又は第一種住居地域、第二種住居地域若しくは準住居地域のうち、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内の建築物については、(は)欄1の項中「25m」とあるのは「20m」と、「30m」とあるのは「25m」と、「35m」とあるのは「30m」と、(に)欄1の項中「1.25」とあるのは「1.5」とする。
法別表第三

道路斜線の起点

道路斜線の起点は、道路中心の高さになります。高低差がある場合や坂道になっている場合は注意が必要です。坂道の場合、安全側で坂道の下端の高さだけを採用して設計することも可能です。

道路斜線制限の緩和

前面道路が2以上ある場合の緩和

(二以上の前面道路がある場合)

建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

建築基準法施行令 第132条

高幅員道路の幅Aの2倍(通称“2A”)かつ35m以内の範囲内であれば、高幅員道路とみなして道路斜線を検討できます。

高低差緩和

(道路面と敷地の地盤面に高低差がある場合)

建築物の敷地の地盤面が前面道路より一メートル以上高い場合においては、その前面道路は、敷地の地盤面と前面道路との高低差から一メートルを減じたものの二分の一だけ高い位置にあるものとみなす。

建築基準法施行令 第135条の2

みなし地盤面は、地盤面+(高低差-1m)/2で表すことができます。

天空率による緩和

ある点から見た半球における空の割合を天空率といいます。計画建築物の天空率が適合建築物(斜線制限を満足する最大ボリューム)の天空率より小さいことをいくつかのポイントで確認してすべて適合していれば斜線制限を超えて計画することができます。

天空率を求めるには、生活産業研究所のADSをはじめとした専用のソフトが必須です。専門的な知識も必要になりますので、ここでは制度のご紹介にとどめます。

★道路斜線計算ツール

・隣地斜線、北側斜線には対応していません
・3以上の道路に面する場合には対応していません

合わせて使いたいツール

隣地斜線制限

建築物の高さが住居系で20m以上、商業系で31m以上になる場合は隣地斜線も確認しましょう。

北側斜線制限・高度地区

住宅系の用途地域で北側斜線制限がかかる場合や、自治体で高度地区が指定されている場合はこちらも要チェックです。

日影規制

斜線制限だけでなく、日影規制による高さの検討も忘れずに行いましょう。規制のない地域でも北側に住居系の用途地域がある場合は要注意です。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

他にも様々な自動計算ツールを用意していますので、ぜひサイト内を巡ってみてください。

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