【自動計算】設計料(告示8号・告示98号)|業務報酬基準の略算法

国交省告示8号および旧告示98号の略算方法に基づく業務報酬(建築設計・監理料)算定ツールです。標準業務量は別表第1~15の略算表の数値を線形補間によって算定しています。

令和6年1月9日に新たな業務報酬基準「国土交通省告示第8号」が公布されました。略算法の改定や難易度による補正方法が見直されています。

当サイトでは、新旧の比較もできるよう、旧告示98号の計算ツールも使えるようにしています。

次のような方におすすめです

  • 建築主に標準的な業務報酬を示して見積の妥当性をアピールしたい
  • いま自分が担当している案件の標準的な業務報酬が知りたい
  • 限られた人的資本のなかで請け負える業務範囲を検討したい
  • 告示8号のエクセルが社内で整備されていない

すぐに計算ツールを使いたいときは目次の「★設計料計算ツール」をクリックしてください。

目次

設計料算定の根拠

告示8号(旧告示98号)

関係法令:国土交通省告示 第8号(第98号)

告示98号は、平成31年に公布された、設計や工事監理等の業務報酬を算定するための告示です。それ以前は長らく「告示15号」が業務報酬基準として用いられてきましたが、社会情勢の変化から実態業務量との乖離が指摘されはじめ、告示98号の公布に伴い廃止されています。

その後、令和6年により実態に即した形で略算法の改定や難易度による補正方法が見直されたものが告示8号になります。

設計業務委託等技術者単価

設計業務委託等技術者単価とは、国土交通省が発注する設計業務委託等(設計・測量・地質等)の積算に用いる全国一律の単価のことです。毎年度実施している給与実態調査結果に基づき年に1度更新されており、平成24年以降毎年右肩上がりに推移しています。

下表のように、一級建築士または二級建築士取得後の業務経験に応じて職種の区分が設定されています。

技術者の職種基準日額(円)建築士等の資格・業務経験等による区分
主任技術者80,200一級建築士取得後23年以上又は
二級建築士取得後28年以上の業務経験のある者
理事、技師長75,800一級建築士取得後18年以上23年未満又は
二級建築士取得後23年以上28年未満の業務経験のある者
主任技師64,800一級建築士取得後13年以上18年未満又は
二級建築士取得後18年以上23年未満の業務経験のある者
技師(A)57,000一級建築士取得後8年以上13年未満又は
二級建築士取得後13年以上18年未満の業務経験のある者
技師(B)47,200一級建築士取得後3年以上8年未満又は
二級建築士取得後8年以上13年未満の業務経験のある者
技師(C)38,400一級建築士取得後3年未満又は
二級建築士取得後5年以上8年未満の業務経験のある者
技術員33,600上記各欄に該当しないもの
令和6年度 設計業務委託等技術者単価

本計算ツールでは、上記日額をもとに時間単価を設定しています。

★告示8号設計料計算ツール

略算表の最小値未満又は最大値を超える場合は略算法が適用できない業務となり、結果が表示されません

★告示98号設計料計算ツール(旧)

告示8号・告示98号別表

建築物の類型と略算表

告示8号(旧告示98号)では、建築物の用途に応じて標準業務量が設定されており、さらに標準的な第1類と複雑な設計等を要する第2類に分類されています。下記表の計24の類型ごとに略算表(国土交通省告示第8号の別表第1~15)が示されています。

建築物の類型建築物の用途等
第1類
(標準的なもの)
第2類
(複雑な設計等を必要とするもの)
一 物流施設車庫、倉庫、立体駐車場等立体倉庫、物流ターミナル等
二 生産施設組立工場等化学工場、薬品工場、食品工場、特殊設備を付帯する工場等
三 運動施設体育館、武道館、スポーツジム等屋内プール、スタジアム等
四 業務施設事務所等銀行、本社ビル、庁舎等
五 商業施設店舗、料理店、スーパーマーケット等百貨店、ショッピングセンター、ショールーム等
六 共同住宅公営住宅、社宅、共同住宅、寄宿舎等
七 教育施設幼稚園、小学校、中学校、高等学校等
八 専門的教育・研究施設大学、専門学校等大学(実験施設等を有するもの)、専門学校(実験施設等を有するもの)、研究所等
九 宿泊施設ホテル、旅館等ホテル(宴会場等を有するもの)、保養所等
十 医療施設病院、診療所等総合病院等
十一 福祉・厚生施設保育園、老人ホーム、老人保健施設、リハビリセンター、多機能福祉施設等
十二 文化・交流・公益施設公民館、集会場、コミュニティセンター等映画館、劇場、美術館、博物館、図書館、研修所、警察署、消防署等
十三 戸建住宅(詳細設計及び構造計算を必要とするもの)戸建住宅
十四 戸建住宅(詳細設計を必要とするもの)戸建住宅
十五 その他の戸建住宅戸建住宅
(注1)社寺、教会堂、茶室等の特殊な建築物及び複数の類型の混在する建築物は、本表には含まれない。
(注2)第1類は、標準的な設計等の建築物が通常想定される用途を、第2類は、複雑な設計等が必要とされる建築物が通常想定される用途を記載しているものであり、略算方法による算定にあたっては、設計等の内容に応じて適切な区分を適用すること。
表1:建築物の類型(告示別添二)

設計業務委託等技術者単価

技術者の職種基準日額(円)建築士等の資格・業務経験等による区分
主任技術者80,200一級建築士取得後23年以上又は
二級建築士取得後28年以上の業務経験のある者
理事、技師長75,800一級建築士取得後18年以上23年未満又は
二級建築士取得後23年以上28年未満の業務経験のある者
主任技師64,800一級建築士取得後13年以上18年未満又は
二級建築士取得後18年以上23年未満の業務経験のある者
技師(A)57,000一級建築士取得後8年以上13年未満又は
二級建築士取得後13年以上18年未満の業務経験のある者
技師(B)47,200一級建築士取得後3年以上8年未満又は
二級建築士取得後8年以上13年未満の業務経験のある者
技師(C)38,400一級建築士取得後3年未満又は
二級建築士取得後5年以上8年未満の業務経験のある者
技術員33,600上記各欄に該当しないもの
表2:令和6年度 設計業務委託等技術者単価

追加業務

標準業務に含まれない追加的な業務については、追加業務分の人・時間数を標準業務量に加算することができます。

標準業務に付随して実施される業務
1建築物の設計のための企画及び立案並びに事業計画に係る調査及び検討並びに報告書の作成等の業務
2建築基準関係規定その他の法令又は条例に基づく許認可等に関する業務
3建築物の立地、規模又は事業の特性により必要となる許認可等に関する業務
4評価、調整、調査、分析、検討、技術開発又は協議等に関する業務で次に掲げるもの
建築物の防災又は減災に関する業務
環境の保全に関する業務
建築物による電波の伝搬障害の防止に関する業務(標準業務に該当しないものに限る。)
建築物の維持管理又は運営等に係る収益又は費用の算定等に関する業務
建築物の地震に対する安全性等の評価等に関する業務
法令等に基づく認定若しくは評価等又は補助制度の活用に関する業務
特別な成果物の作成に関する業務
建築主以外の第三者に対する説明に関する業務
建築物の維持管理又は運営等の支援に関する業務
施工費用の検討及び算定等に関する業務
十一施工又は発注の支援に関する業務
十二設計の変更に伴い発生する業務
十三その他建築物の計画に付随する業務
表3:追加業務の例(告示別添四)

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

他にも様々な自動計算ツールを用意していますので、ぜひサイト内を巡ってみてください。

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